横浜市会では10月3日~10月20日、2016年度決算特別委員会が行われました。突如の解散・総選挙とはいえ、国政選挙と市議会の同時進行は初めての経験です。私は12日の温暖化対策・環境創造局審査では、脱炭素社会に見合うCO2削減目標、豪雨浸水対策、たちばなの丘公園の整備等について、また、16日、政策局審査では地域の交通不便施策について、旧上瀬谷通信施設跡地利用について等の質問をしました。
地域交通サポート事業への財政支援を
横浜市の現行の中期計画(2014年~2017年)に地域交通の充実を目指すとした「地域交通サポート事業」があります。地域住民がグループをつくり、生活に密着した交通手段を導入・運行するというもので、道路局が窓口となり、導入までの活動支援するものです。しかし運行費などへの財政的な支援は全くありません。
この間、道路局に31のグループが登録されました。その内、本格運行しているのは12グループで、実証運行は4グループ、残り15グループは運行に至っていません。運行に至らない主な要因は、採算面で見通しが持てないからです。旭区内においても、かつて、東希望が丘地区連合会では、タウンミーティング(地域要望懇談会)で「地域のミニバス要求」が、取り上げられましたが、採算面で見通しが立たず、実現しなかったことや、現在、四季美台地域で本格運行している「四季めぐり号」も採算面においては相当厳しい状況にあることを聞いています。
一方、生活交通バス路線維持支援事業というものがあり、市内の生活交通に必要なバス路線としていて、採算が取れない民間バス5路線、市交通10路線の計15路線の不採算分に横浜市が補填しているものです。2016年度決算では3億9400万円の補助金が支出されました。
高齢化の進行に伴い交通不便地域が広がっています。多くの地域で交通手段の確保に懸命に取り組んでいるものの、現在の「地域サポート事業」の仕組みでは、地域で一生懸命に取り組んでいるにもかかわらず、採算面で見通しがなければ事業化できません。生活交通バス維持路線と同じように、地域交通サポート事業にも財政的支援をすべきだと、質しました。そして今後の中期計画策定に盛り込むよう副市長に求めました。副市長は「地域交通の維持、充実については、大事な課題だと認識している。」「郊外部において、地形上の山坂が多いという状況で、買い物や通院などに苦労されている高齢者の方もいる。こうした視点に立って、次期中期計画を策定する中で検討していきたい」と答弁しました。
フクロウの生息する公園の保護を
旭区と保土ヶ谷区にまたがるたちばなの丘公園では、フクロウが生息する等、貴重な自然環境が残されています。
同公園はかつてカーリット火薬工場跡地で、保土ヶ谷区側を中心に5・3haは整備完了、旭区側約7haは買収・整備予定となっています。この公園周辺にフクロウの生息が、周辺のボランティア団体により確認されました。フクロウは猛禽類でオオタカと同じように生態系の頂点の生物です。その保護は同公園のみならず、公園周辺の自然環境保護と一体に進めることが求められるものです。横浜市は周辺地権者の協力・理解を得ながら、ボランティア団体との情報提供・研修・道具の貸し出しなどは可能と答弁しました。