日本共産党横浜市会議員団は11月14日~16日、熊本地震の被災地を視察しました。震度7の地震2回の直撃現場は壮絶でした。熊本城の崩れた石垣、阿蘇山のがけ崩れや阿蘇大橋の崩落現場、液状化による益城町全体の地盤沈下、活断層の影響による地表のずれた現象・・・等々、そして避難所を運営されている人や、生活されている人たちお話を伺いました。一刻も早く復旧・復興・生活再建など思いを重ねるものです。視察では熊本市東区の尾ノ上小学校で避難所運営のリーダーとして活動された高林秀明(熊本学園大学教授)の実践に基づく話や、地域の人との懇談が教訓的でした。
発災時の「食事」の在り方は、避難所やその周辺地域に大きな影響を与えます。避難所の運営を避難者みんなが協力し合うことで、明るく楽しく過ごせました。一般的に避難所に集まる避難者は、提供される水や食糧をもらうため、長蛇の列で2~3時間も並び、時には最後列者は食糧にありつけないこともあります。尾ノ上小学校避難所では、体育館と校庭にあふれていた避難者に、校長先生の「ボランティアができる人は集まってください」との呼びかけでPTA会長等50人ほどが協力し、避難所自治の運営につながりました。避難者はブロック別に分かれ、食事搬送係等を決めたことで、配給2~3時間待ちは解消し、グループ内の交流が図られ信頼関係がつよまりました。避難所の雰囲気も明るくなり、避難所閉鎖時は別れが惜しまれました。自治会・町内会の日常活動が、避難者同士の助け合いにつながりました。
避難所運営はマンツーマン対応ではなく、ゾーン対応で進めることも大きな教訓です。食糧など配給が軌道に乗り、避難所消費量に余裕もできた段階で、尾ノ上小学校周辺へ「食糧の必要な人は取りに来てください・・・」呼びかけました。とかく「これは避難所への供給物」というようになりがちですが、地域全体へ供給された物として対応したことが、周辺地域との信頼関係を強めました。さらに、尾ノ上小学校の家庭科室はフル稼働(校長先生の決断で使用可となりました)。ライフラインが寸断される中で、家庭科室のプロパンが大活躍しました。残念なことに、指定管理者運営の施設は、避難所として使えず、職員の出動もありませんでした。
視察から学んだことを街づくりに生かしていきたいと思います。